記事作成日:2024年4月10日

※この体験談は、執筆者の先生ご自身の思いや感情を、できる限りそのまま表現いただき、私たちもそれを尊重いたしております。表現、用語などは誤解のないように配慮いただいておりますが、お気づきの点がありましたらご意見いただければ幸いです。

北江 彩
京都済生会病院 糖尿病内科 北江 彩
卒後14年目 糖尿病内科

我が家は共に勤務医の医師夫婦です。夫は大学の同級生の消化器内科医。現在は小学生となった二人の子供がいます。今回、ご依頼をいただきまして、我が家の保育園遍歴をご紹介させていただきます。

1はじめての育児と院内保育園

保育士イメージ
保育園データ 土日 夜間 病児 離乳食 幼児食
院内保育① 連携施設あり

私が一人目を出産したのは卒後3年目の5月でした。
つまり、初期研修の最後の半年を妊婦として過ごし、そのまま産休に入り、出産というスケジュール。
産後半年程度の復職を目指したものの、年度途中になってしまうこともあり、初期研修先の病院に相談してそのまま総合診療科にレジデントとして在籍させていただくことになりました。

当時勤務していた病院には院内保育と院内病児保育があり、ひとまず右も左も分からない上に次年度の勤務先も分からなかった私は、まずは身近な所からと院内保育にお世話になることにしました。
当直は免除していただいていたものの、緊急や急変があれば多少お迎え時間がずれ込むこともある中、融通が利いて職場から徒歩0分の院内保育はありがたかったです。

復帰時は生後6か月でしたので、勤務の合間に授乳にも行けましたし、途中で小児科外来から連絡をもらっての予防接種や小児科受診も全て勤務先で完結しました。
預けている最中に子供が発熱しても、そのまま自院の小児科を受診して隣の病児保育にスライドOK。
発熱で数日病児保育生活が続いた挙句、そのまま肺炎で自院に入院してしまった時は無理をさせ過ぎたかなと反省もしましたが…
子供がまだ乳児で1人だったこと、自分が初期研修で各科ローテートした病院であり、小児科の先生方や看護師さんも皆様顔見知りで良くしてくださったこと、いろんな条件も重なってのことですが、医師のキャリアの中で比較的早くに出産することになり、まだまだ仕事も要領よくはこなせない中で何とか離脱せずに勤務が続けられたのはこの体制があったからだったと思います。

この病院の院内保育は看護師さんの勤務を支えるために、曜日によっては24時間開所しており、土日も通園できました。
私自身は日当直を免除していただいていましたが、日曜日に「研修医の勧誘のためレジナビに参加してほしい」と頼まれ、「院内保育が利用できるなら…」と子供を預けて参加したのも良い思い出です。

院内保育の保育士さんたちも医療者の事情に慣れており、また同じ職場の同僚といった雰囲気で接しつつ、時には慣れない新米母に離乳食のアドバイスもくれたりと、ありがたい存在でした。長期休みには小学生までやってきて賑やか。
うちの子は最年少でお兄ちゃんお姉ちゃんたちにもずいぶん構ってもらっていました。
一部では「だからよく風邪をもらう」なんて声もありましたが。

2他府県転勤だ、無認可託児所1

保育園データ 土日 夜間 病児 離乳食 幼児食
無認可託児所① × × × ○(弁当)

やっと子連れ勤務にも慣れて離乳食も軌道に乗ってきた頃、来年度の人事について連絡が。
当時大学の専攻医だった夫の転勤先は、なんと岐阜県!子供も0歳で単身赴任はちょっと…というわけで家族で引っ越しとなりました。

双方の医局の取り計らいで、私も夫と同じ病院の糖尿病内科に勤務することに。
そこで子供の保育園を1から探さねばとなるわけですが、土地勘のない他県でどこから当たればよいのやら。
当時認可園と無認可の違いもまだよくわかっておらず、小学生までを見据えて認可園に入れようにも、そもそも何年岐阜にいるかもわからないという状況でした。
1、2年でまた転勤になるかもしれません。

勤務先の病院には当時院内保育園が無かったのですが、病院HPの片隅に「提携保育所あり」との文字を発見。
慣れない育児と仕事に引っ越しの段取りまで加わって保育園まで探しているキャパはもう残っておらず、
「まあとりあえずその提携保育所に行けばいいや。院内保育園みたいなもんやろ」
と思った次第でした。

結局、提携保育所とは病院と「提携」しているものの、民間の無認可託児所であり、病院職員だと利用料が若干割引になるというシステムでした。
ビルの1階の一室で園庭はなく、テラスがある程度。
その代わり道路を挟んで目の前は大きな公園という立地でした。
場所も病院から2㎞程離れており、子連れで行くには出勤前に車で行くしかない。
なるべく通勤に便利な所をと病院の目の前のマンションを借りたのですが、保育園のために大回りをして通勤することになってしまいました。
また、小さな1部屋で運営されているその保育園には給食設備がないため、給食がありません。
幼児食は宅配のお弁当があるようでしたが当時まだ0歳で離乳食中期だったわが子は、唐揚げやエビフライの入ったお弁当は食べられない…
ドロドロの離乳食を毎日作って持参するのは手間もかかるし衛生的にも心配。というわけで毎日市販のベビーフードを持参していました。ベビーフード万歳。
転園先の保育園でも一番小さい子だったわが子は、低月齢の頃から預けられ慣れているためか数日ですぐに慣れ、ここでも可愛がっていただいたのですが、いくつか気になるところが…

1部屋しかないため異年齢の子がひしめき合っており、0歳児がハイハイしている横でやんちゃな3歳児が台から飛び降りたりしている。
一時預かりの利用者が多くメンバーが毎日違う。
床が砂だらけ。
夕方迎えに行くと、2~3歳の子供たちは常にEテレかアンパンマンのDVDを観ている。

もちろん限られた予算と人員で、最低限の安全を確保しようと思えばやむを得ない部分は理解できますし、直接的にケガやトラブルなど嫌な思いをしたこともありませんでした。
私自身は動画もベビーフードも便利なら使う派ですし、Eテレもアンパンマンもむしろ教育的によく出来ていると思っています(だから保育園では他のことをしていてほしいというのはありますが)。
しかし漠然と、他に良さそうな所があれば子供も大きくなることだし将来的には転園も視野に入れようかなとは思っていました。

3無認可託児所転園

保育園データ 土日 夜間 病児 離乳食 幼児食
無認可託児所② × ×

そんな状況で迎えた岐阜での初めての夏。
わが子も1歳になり、長良川の花火に圧倒されて大泣きしたりと岐阜生活を満喫しておりました。
お盆の時期になり、いつもの託児所が数日休園のため、休み期間のずれている近隣の一時預かりのある園を探し、偶然みつけたのが自宅から徒歩10分の2つ目の無認可託児所でした。
そこは大きなタワーマンションの1フロアに位置しており、まだ建物も新しく、園庭は無いものの広々とキレイな部屋で年齢毎に分かれて保育されていました。
そして一番興味深かったのは、その託児所の横には同じ団体の経営する高齢者のデイサービス施設が併設されており、デイサービスの高齢者たちと一緒に遊んだり、お歌を歌う等の交流の時間があったことです。
しかも、病院提携の託児所より自宅から近い!(徒歩10分程)
問題は、保育料が3倍程になること…
痛い出費ではありましたが、家族会議の末、転園を決めました。

こちらの保育園は本当に環境が良く、ビル内なので園庭こそないものの、同じビル内のマンションの庭園で遊べ、プールやシャボン玉などもしていました。
また、離乳食から給食があり、レトルトとは言え毎日離乳食を持参する手間も無くなり、栄養バランスの良い離乳食を進めてもらえて本当に助かりました。
隣の高齢者施設と給食設備が共同になっているなどのメリットもあったようです。

またこれは以前の園でも共通ですが、院内保育だと、当然自分が勤務の時しか預けられないので、退勤と共にずーっと子供と行動を共にすることになります。
体調不良で欠勤しても、用事で有給をとってもずーっと自分で保育。

子供が自分で動かないし授乳のある0歳児は院内保育はメリットばかりに感じましたが、動き回り、いやいや期も始まる1~3歳頃はちょっと買い物に連れて行くのも大変で、託児所が駅前に変わったことでお迎え前の数十分、ちょっとコンビニやスーパーに立ち寄れるのが本当に助かりました。

「無認可託児所」と一口に言っても、設備、雰囲気、保育料、保育理念など認可園以上にバラエティ豊かなようです。
この託児所は高齢者との交流や食育、絵本の読み聞かせ、自然の中で遊ぶといったことに力を入れているタイプの園でしたが、後に京都に引っ越すときに調べた中では塾が経営していて英語や算数に力を入れているところや、小学校受験に力を入れている園もあれば、運動に力を入れている、少人数でアットホームなところなど本当に様々です。

また、保育料に関しても、認可園の保育料は、年少さん未満は応能負担で世帯年収によって保育料がUpします。
保護者が医師の収入だとかなりの保育料になってしまうため、実はそこそこお高い無認可託児所よりも高いなんてこともあり得るかもしれません。

42人目登場、院内保育園掛け持ち

保育園データ 土日 夜間 病児 離乳食 幼児食
院内保育② × × ○(弁当)

上記の託児所は日祝日の保育が無かったので、私が日直時には以前の提携託児所を一時利用していたのですが、岐阜に赴任して1年程経った時、院内に新しく職員用院内保育所ができました。
既に利用していた託児所には子供も喜んで通っており、転園するには至らなかったのですが、日直時やいつもの託児所が休みの時には院内保育を利用することが出来るようになり、大変助かりました。

また、うちの子よりも少し大きいお子さんがいる同僚の医師で、お子さんは幼稚園に通園されている先生がいて、幼稚園は14時頃に終わるので、幼稚園バスで病院まで送迎してもらい、それから院内保育に預けて夕方まで勤務されている先生もいました。
院内保育を利用していると、同じ年頃の子供がいる医師や他職種の方々と顔見知りになるので、何かと助け合えたり、情報交換出来たり等の副次効果もあります。

岐阜に赴任して3年目の夏に第2子が誕生し、半年ほど産休、育休を取って復帰したのですが、下の子を上の子と同じ託児所に預けるか、院内保育に預けるかで悩みました。
結局、まだゼロ歳で授乳があったのと、院内保育の方が圧倒的に保育料が安いので、上の子は駅前の託児所を継続、下の子は院内保育で数か月を過ごしました。
余談ですが、京都に引っ越す際に自宅がかなり狭くなるので、大型のおもちゃなどをいくつかこの院内保育に寄付させていただき、我が家としても大助かりだったのですが、やはり同じ病院の職員同士、そういった融通が利くのも院内保育の魅力かもしれません。

5大学院進学と認可園の保活

保育園データ 土日 夜間 病児 離乳食 幼児食
認可園 土のみ × ×

岐阜で勤務して3年、第二子にも恵まれ忙しい中でも仕事や土地にも慣れ、というところで、夫の大学院進学が決まりました。
4月から再び京都です。
私は子供も二人になり、さてどうしたものか…と悩んだわけですが、結局医局とも相談し、夫と同時に大学院に進学することにしました。産後2か月で院試、乳幼児二人を抱えて引っ越し、そしてその前に立ちはだかる、県外からの保活…

大学にも院内保育はあるのですが、対象は年少未満の学年です。
また、今は少子化の影響で多少は解消してきているのかもしれませんが、当時はちょうど待機児童が社会問題として取り沙汰されている時期で、認可保育園途中入園は狭き門という噂でした。

外勤の日もあると考えると、下の子だけ大学の院内保育に預けたとしても私が常に大学にいるわけではない。
京都に戻る4月に上の子がちょうど年少、下の子は0歳児というタイミングだったので、送迎の利便性も考えると二人とも同じ認可園に預けたいと考え、保活に乗り出しました。

この時点ではまだ、「入りたい保育園を探して希望を出すんだろう」ぐらいにしか思っていなかったため、ひとまず自宅と大学の近くの保育園を3件程岐阜から泊りがけで見学に行きました。

認可園というと、公的なイメージでいわゆる公立小学校のようなある程度均一化したシステムやカリキュラムを想像してしまいますが、実際には敷地や施設基準、保育士の人数等の最低限の基準は満たしているものの、公立、私立が入り交じり、教育方針やそれぞれの園の特色、成り立ち等も様々です。
見学に行った園も預かり時間も違えば雰囲気も違い、それぞれの特色がありといった感じでしたが、後に、「気に入った保育園を選ぶ」ような余地は全くなかったことを知ります。

それまでに利用していた院内保育や無認可託児所の場合、保育園に預けられるかどうかは基本的にはそれぞれの保育園と利用者との契約であり、対象年齢などの条件を満たし、定員に空きがあれば入所できました。
しかし、認可園の場合はシステムが全く異なり、まず市町村(京都市の場合だと各区役所)宛てに希望順位順に複数園の希望届を出し、保護者の勤務形態や子供の人数、他に頼れる親族がいるか等が事細かに点数化され、点数の高い順に希望の園に入れるというシステムのようです。

まず乳幼児の子育てに追われながらこのシステムをネットで調べたり、役所に問い合わせて情報収集し理解するまでのハードルが高い。
しかもシステムや点数の基準は市町村ごとに微妙に異なり、年度によっても少しずつ変わります。
つまり、ネットの口コミや過去の知人の体験談等が全くあてになりません。
おそらく現在も私が保活をした時とは色々異なっていると思います。
ただ大まかな全体のシステムとしては我々医師には馴染みの深い、アレによく似ていることだけは是非お伝えしておきたいと思います。アレとは、「初期臨床研修病院のマッチング」です。

このマッチングシステムに乗るにあたって、我が家には二つのハードルがありました。
1つは上の子が既に年少になっていること。
基本的に、ほとんどの子が0~1歳頃に入園して、同じ園で進級していくことを前提としたシステムであり、年少やそれ以上の学年で途中入園しようとすると「たまたま親の転勤等で欠員が出た」園にしか枠がないのです。
つまり、当初のんきに見学に行った園では「まあうちは来年度の年少さんの募集は現時点で予定してないんですけどね~下のお子さんだけなら入れますけど」なんて言われる始末。

臨床研修病院のマッチングなら後期募集からのスタートで、フルマッチしていない施設からしか選べない状況です。
しかもマッチングと異なりその募集枠がある保育園がどこなのか、まとまった情報を出している場がありませんでした。
各自治体は把握しているのかもしれませんが、それも区によって分かれていますし、転園が急に決まる場合もあるので、枠自体が流動的で入園申し込みの時点からさらに変動もあるようです。

我が家は当時ちょうど上京区と中京区の境目あたりにあり、希望している園も二つの区にまたがっており、問い合わせ窓口をどちらの区役所にすれば良いのかもよくわからない状況でした。
結局、あちこち調べて問い合わせた結果、ダメ元で通園可能な範囲の保育園で、何か絶対に通園させたくない理由があるような園以外は、かたっぱしから申し込むしかないという状況であることが分かったわけですが。。。
この時点でもうぐったりです。

2つ目のハードルは「点数が低いこと」です。
当時は保護者が常勤の正規雇用職員の就労と比べて、大学院生の就学による保育の必要性点数はマイナス5点でした。
我が家の場合は夫婦共に大学院生になったので二人合わせてマイナス10点です。
その数年後、後輩の保活の話を聞いていたところ、この「就学だと点数がマイナスになる」システムは問題になったのか無くなったようですが、当時は絶望的な気持ちになりました。
多くの医局がそうであるように、私も夫も大学院1年目は附属病院で臨床業務に従事して、外勤もこなしており、市中病院同様もしくはそれ以上に忙しい日もある中、書類上は「就学+週数回のアルバイト(しかも申し込み時点では雇用契約なし)」の扱いです。
また、仮に常勤医であったとしてもどんなに激務、時間外勤務、当直ありでも、点数が正規雇用の定時勤務以上に加点になるわけではありません。

医局に相談し「医師であり、学業以外に臨床業務にも従事する予定である」といった証明書を発行してもらってそれも提出し、区役所の窓口で状況を訴え、「考慮はしますが、そもそも枠が少ないので上のお子さんが入れる園があるかどうかは分かりません…」と言われ、最終的にどこまで考慮されたのかは不明のままでした。

上記のような状況から「近い」「教育方針や雰囲気が好き」「設備や給食が~」のような細かい条件や希望どころではなく、「とにかく物理的に通えて、子供二人が同じ園になることが最優先」という状況であり、私は見学どころかホームページすらろくに見ていない園も含め、自宅からの距離をひたすらgoogleマップで調べ、近い順に15個の保育園を希望用紙に羅列しました。

そして、決定の通知書が来たのは15個中第13希望。

距離だけで記入したため、ほとんどその園について何の情報もなく、知り合いもおらず、子供二人が同じ園になったことにはホッとしたものの、喜んで良いのかどうかなんとも複雑な気持ちでした。
結果的にはギリギリ通えるもののやや遠目の通園となり、当初二人の子供を連れての毎日の登園も大変でした。

住めば都と言いますか、子供は徐々に成長しますし、子供たちもその園で元気に楽しく成長しました。
園行事や保護者会活動が盛んな園で最初は驚きましたが、その分知り合いやママ友も出来、良い保育園生活を送らせていただいたと思っています。
しかし当初はとにかく不安でいっぱいでした。

長々と書いてしまいましたが、このように転勤、引っ越しが多く、就労形態が流動的な勤務医の保護者は、認可園の保活においてなんとなく不利に働く面も多いのではないかと感じます。

また、認可園はそれぞれに特色や預かり時間など個性がある中で、それを一元的に情報収集するのが難しく、中にはホームページすらない園もあります。
一方で、認可園に通わせることは必須ではないとは言え、院内保育や小規模園、無認可託児所は3歳までしか対応していない所も多く、園庭等の施設規模や0~6歳まで継続的に預けられる、兄弟を一緒に預けられる等の理由から認可園に入れたいという医師、医療従事者も多いですし、ニーズは高いと思います。
我が家は行き当たりばったりで苦労しましたが、リアルタイムに情報収集すること、就労形態と入園のタイミングを考慮すること、場合によっては希望する保育園や状況に応じて職場や住居を選ぶなど戦略的に動くことも必要になるかと思います。
とにかく行政は申請主義なので、待っていても向こうからは来てくれません。
区役所に電話して、出向いて、相談、情報収集集するしかないと思います。
なんだが介護申請の話をしているみたいですが、ケアマネージャーみたいに保育園コンシェルジュがいれば良いのに!

6恐怖の電話と病児保育

保育園データ 土日 夜間 病児 離乳食 幼児食
病児保育① 土のみ ×
病児保育② 土のみ ×
病児保育③ × ×

保育園遍歴と共に、最後に我が家の病児保育遍歴もご紹介したいと思います。
1つ目院内保育時代は前述の通り院内に病児保育がありました。
さらに小児科もあり大変助かりましたが、ただ一つ預かってくれるからといって、体調不良の子供を長期預け続けるとさらに体調が悪化し。。。というループには要注意です。

岐阜では院内病児保育は無かったので、近隣のクリニックに併設されている病児保育にお世話になっていました。
岐阜が地方都市だからか、当日突然でも定員オーバーで断られたことが1回もなく、また土曜日にも開いていてありがたい施設でした。

一番大変だったのが京都に戻ってからの大学院時代です。
子供が二人に増えたため、同時に、あるいは交互に発熱する。
大学に病児保育はあるものの、大学、附属病院の職員の人数に対し、病児保育の定員は5人。当日利用や冬季等は難しいこともありました。

また、市内の一般の病児保育はさらに激戦です。
そんな中、常勤先に病児保育がある病院は大変ありがたく、大学院時代には非常勤先が新しく決まる度に、その病院の院内保育と病児保育の有無を確認していました。

困ったのが土曜日午前外来の非常勤で、いつもの保育園に土曜保育があるからと気軽に引き受けてしまったのですが、土曜日は病児保育が開いていないのです。
子供も週6日出勤すると疲れるのか、金~土に発熱することが何度もあり、朝から夫と勤務調整に大騒ぎ。

周囲の子供の小さい医師の話を聞いていると、妻の勤務先には病児保育が無いので、病児利用の際は夫の勤務先に連れて出勤などのパターンもあるようです。
病児保育や勤務先への距離、車の運転が出来るか等の条件もあり事情は様々ですが。
現在の常勤勤務先には病児保育もあり、小児科もあり、コロナ休園の際には院内保育で対応してもらえたりと非常に助かっています。
子供の発熱の頻度も徐々に減りますし。

7最後に

保育園イメージ

以上長くなってしまいましたが、我が家の保育園遍歴について懐かしく思い出しながら振り返らせていただきました。 どんな保育園が良いのか。保護者の勤務の都合、子供のキャラクターや体質、祖父母のサポート、自宅の立地、夫婦関係、家族構成、職場の理解、職場の病児保育等の条件、そして子供の成長や教育にとって何を重視するのか。
ありとあらゆる条件の積み重ねであり、全ての家庭に当てはまる最適解は存在しないと思います。
また、私も経験したように必ずしもここぞと希望した保育園に入れるとは限りませんし、予期せず入園した保育園が案外良かったりすることもあるでしょう。

保育園と言えば「認可保育園」をイメージしがちですが、認可保育園自体が最低限の国の基準を満たしているというだけで、その環境、保育方針、運営団体も公立、私立、宗教法人など千差万別です。
昨今では保育関連予算の削減や保育士の人手不足など社会問題とも深く関連した分野であり、どこに行っても良いところもあれば悪いところもあるのが実情でしょう。

我々医師は勤務体制や雇用が流動的なことが多く、また子供もずっと赤ちゃんなわけではなく、0歳と6歳では全く状況が異なります。
子供の預け先にも色んな選択肢があることを知っていただき、視野を拡げて各御家庭の状況に合致する保育先が見つかれば良いなと思います。

未就学児を抱えて医師としての勤務を続けるのは大変なことも沢山ありましたが、職場でも保育園でも沢山の人に支えられなんとか小学生までたどり着きました。
まだまだ長い子育て&医師としてのキャリアですが、後に続く先生方がご家庭にピッタリの保育園に巡り合えることを願っております。

保育園データ一覧表 土日 夜間 病児 離乳食 幼児食
1 院内保育① 連携施設あり
2 無認可託児所① × × × ○(弁当)
3 無認可託児所② × ×
4 院内保育② × × ○(弁当)
5 認可園 土のみ × ×
6 病児保育① 土のみ ×
病児保育② 土のみ ×
病児保育③ × ×

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