※この体験談は、執筆者の先生ご自身の思いや感情を、できる限りそのまま表現いただき、私たちもそれを尊重いたしております。表現、用語などは誤解のないように配慮いただいておりますが、お気づきの点がありましたらご意見いただければ幸いです。
- 天海 華子
- 卒後19年目
麻酔科医(麻酔科専門医)
1メッセージ
以下のメッセージはお子様が生まれた後も夫婦円満❤でいられる秘訣となるかもしれません。父となる皆様、是非、妻の切なる願いをご一読ください。
また、産後の女性をサポートする周囲の方(ご夫婦のご両親やその他サポートにきてくださる方)にも伝えてみてください。
- ・妻の新しい役割を理解し、自分も家事・育児をする立場であることを再認識してください。
- ・妊娠や出産による妻のボディイメージの変容をご承知おきください。
- ・妻はストレスを感じています。妻の意見やアイデアをひとまず受け入れ、認め、尊重し、前向きな言葉で支援してください。
- ・妻が休息を取り、自分の思うように使える一人の時間を作ってあげてください。
2産後は離婚の危機!?
出産後、女性は寝不足だけではなく、ホルモンの大きな変化でイライラしてしまいます。
私もイライラが止まらなくて、自分でも制御できなくて、どうしたものかと思っていましたが、ちょうどそのころNHKの番組をみて、なんとなく安心したというか、自分のこのイライラが異常ではないということを知りました。
NHKスペシャル ママたちが非常事態!? ~最新科学で迫るニッポンの子育て~
子どもができて幸せな世界を夢見ていても、子どもは泣き続けるし、心はイライラ、体はガタガタで思うように動けず、キャリアは完全にストップして焦り、精神的にかなり追い詰められる妻、、、、というような事態があるかもしれません。
産後は夫婦の関係が再構築される時期、というような現実を頭の片隅においてください。
子どもができると、夫婦2人だった家族が3人になり、最優先順位が子どもになります。子どもが増えるたびに関係性はどんどん変わっていきます。出産直後の妻は、大人への関心が薄れるものです。妻の頭の中は赤ちゃんのことで占拠されるでしょう。このことで、疎外感・違和感を感じ、パタニティブルー(男性の産後うつ)につながることもあるかもしれません。妻も大変、夫も大変です。
実際、子どもが小さい時の離婚率は高いことが知られており、子どもができて家庭円満かと思いきや、実は危機的状況を迎えます。子どもの年齢が0~2歳がもっとも離婚率が高いのです。
女性医師は収入もありますから、イラっときてプチっときたら離婚という選択肢もありえます。実際に私の周りにも子どもが小さいうちにシングルになられた方がたくさんおられます。離婚が夫婦お互いにとってよい選択肢になることもあるかもしれません。一方で、ホルモンバランスの乱れがその判断に寄与している可能性もあり得るため、重大な判断を下す時には、ホルモンの影響を加味してもよいかもしれません。
3産前の様子
私の夫は外科系医師、私も外科系医師です。
医師カップルにありがちなことと思いますが、お互い不規則な生活、当直や深夜勤務のために生理がちゃんとやってこない、勤務地の関係で別居期間が長い、などなかなか子宝に恵まれませんでした。
もう子どもはできない、と諦めて「夫と2人で生きていこう」と思っていたこともあります。
(そんな時に親戚に子どもが生まれたり、友達に子どもが生まれたり、「子どもは?」と聞かれたり、とても辛かったです。)
そんな中、待望の妊娠。
私は悪阻がひどく長く、また、妊娠後期になっても腹部増大に伴う圧迫感で妊娠発覚〜出産日まで毎日吐いていました。
妊娠前は元気いっぱいだったのに、毎日うつろな目で、スキがあれば横たわり、常にビニール袋を抱えて「おえ〜〜」と言っていました。
SNSや雑誌に出てくる妊婦さんはとても穏やかな顔でマタニティーライフを楽しんでいるし、「マタニティフォト」とかも楽しんでいるのに私は妊娠が不快でたまりませんでした。1日でも早く生まれてきて、このしんどさから解放してほしいと思っていましたが、
周りの看護師さんからは「しんどいと思ってるけど、生まれるまでが1番楽やで」と口を揃えて言われていました。
「そんなわけないやん、かわいい赤ちゃん産まれてくるんやし」と思っていました。
夫は妊娠中に苦しむ私をとても献身的に支えてくれました。
そして出産。
産後は私がイメージしていたものとかけ離れた現実の連続でした。
4授乳は痛みとの戦い
授乳がこんなに大変だとは思いませんでした。授乳期間中、母乳に関する悩みが尽きることはありませんでした。
まず、赤ちゃんを抱くのに一苦労です。首も座ってないグラグラの赤ちゃんを支えるのは腕への負担が半端ないのです。小さく見えても3kgあります。
横抱きとか縦抱きとか逆抱きとか、さまざまに抱き方を変えて、いろんな方向から授乳する必要があります(飲んでいない方向があると、そこの乳腺が詰まってしまう)。しかし、抱き方を変えると赤ちゃんの機嫌が悪くなって、もうそこから飲んでくれなくなることもありました。
そして、体中バキバキの筋肉痛になります。皆さん、一度、自分の乳房を30分見続けていただくとわかりますが、ものすごく無理な姿勢なのです。
背中は曲がる、首も曲がる、赤ちゃんを支えるために手も肩も疲れる。すぐに上半身全てが筋肉痛になります。
ここに大事な赤ちゃんを抱いている、という緊張感も加わると、全身が固まります。
肩も首も背中も手も全部痛くなります。
さらに、乳腺そのものの痛みと乳頭の痛みが加わります。
右のおっぱいをあげていると、左からも乳汁が出てきてパンパンに胸が張ってきます。
右→左→右→左→・・と順番におっぱいを飲んでもらわないと困るのですが、
赤ちゃんもまだ体力がなく、片側のおっぱいを飲んだところで飲まなくなったり、寝入ってしまったりすることがあります。
飲んでもらえなかった方の乳房はもうパンパンで爆発しそうで、痛い。
母も子も授乳に慣れていないし、自分の乳首の形が赤ちゃんの口の形に合っているとは限りません。
乳頭が切れることもあります。乳頭カバーをつけて飲ませようとしても、このカバーが嫌で赤ちゃんが飲んでくれません。
結局、傷ついた乳頭を差し出して飲んでもらうことになります。
3時間ごとに授乳があるわけなので、傷が治る暇もなく、一度乳頭が切れると、長期間痛くて辛い・・・。
歯を食いしばって痛みを我慢しながら授乳すると、さらに体に力が入り、すでに限界を迎えている首と肩と背中と腕がさらに悲鳴を上げます。
新生児の授乳は3時間ごと。まだまだ授乳にお互い(親も子も)慣れないので、授乳に30分〜45分かかり、その後ゲップが出るまで15分、おむつをかえて、あっという間に1時半間経過、その後、眠りにつくのに30分、、、1時後にはもう次の授乳。これを昼も夜もなく、約1年毎日繰り返します。
ゲップした時に服が汚れれば、子どもだけの着替えで済むこともあれば、自分もゲップ(母乳)を浴びて、一緒に着替えなければならないこともあります。
おむつを替えた途端に うんちが出て、すぐにおむつを変えなければならないこともあります。そうなると、授乳〜次の授乳まで 全くインターバルがないことにもなります。
昼間はこのインターバルの間に掃除や洗濯、食事の準備と片付けをしなければなりません。
インターバル中に赤ちゃんがずっとおとなしくしていることはまずありません。
何かで泣くので、全ての行動が細切れです。トイレにもゆっくりいけません。
3時間ごとの授乳が辛いなら、人工ミルクをあげればいいのに、と思われるかもしれませんが、そういうわけにもいきません。
赤ちゃんのペースに合わせて、乳房は3時間でパンパンに張ってくるのです。
飲んでもらわないと、このまま爆発するのではないかという勢いで緊満してきて、痛くて不快です。少しの乳頭への刺激(下着が擦れるなど)で、乳汁が溢れ出てきます。
赤ちゃんに飲んでもらわないとしても、搾乳しないと、乳腺炎になってしまいます。
また、どんなに眠くてもとりあえず胸を開ければそこに母乳があるのとは違い、
人工ミルクは お湯を沸かす→必死にシェイクする→「適温」に冷やす(適温って難しい)→飲み残しを捨てる→哺乳瓶を洗う→哺乳瓶を消毒する
という面倒な作業が必要で、これはこれで大変です。
そして「3時間ごと」のリズムは母(の乳腺)も赤ちゃんも慣れてきてからのことです。
数ヶ月はリズムが整いません。
飲んだばかりなのに「もうお腹がすいた」とばかりに指をチュパチュパしながら泣き始めたり、まだまだ授乳時間でないのに胸がパンパンに張ってきて「早く飲んで!!」と思ったり、
バトルが続くのです。
授乳一つとってもこんなに大変なのです。
この授乳について、夫婦でどのように負担するのか、話し合っていてもよいのではないかと思います。(夜間、2人で順番に起きるのかとか、週末など夫に余裕がある時にどうするのか、とか。)
私の場合は、特に夫婦で話し合ったわけではないのですが、授乳のときには一人で起きることを選択しました。夫も当直などで年中寝不足なので、これ以上寝不足にすることに心配があったこと、交代で起きて共倒れになることを避けたかったからです。ただ、眠くて眠くて、しんどくたまらない日も何度もあって、なのに子どもが泣いても横で爆睡している夫を見て、心底腹が立った回数も数えきれません。たまに「今日は夜 僕が起きるから しっかり寝て」という提案をしてくれていたら、心の余裕ができていたかもしれません。
(多分提案してもらっても、私が一人で起きたと思いますが、人知れずしんどいのと、「しんどいよね、何かできることないかな?」と気遣っていただくのには大きな差があります。)
5変容するボディイメージ
産後は、計画的にものごとを進めるタイプが多いであろう医師が我が子に振り回され続けます。
産休で1日中家にいて、「子どもの面倒を見たらいいだけ」のはずなのに、「おっぱいをあげて おむつを替えていたらいいだけ」のはずなのに
ご飯を作る暇がない、片付ける暇がない、掃除をしている暇がない、洗濯している暇がない、
そして、出産と授乳でお肌も髪の毛もボロボロ。
特に外に行くわけでもないので常にすっぴんで家着。
産後まだ膨らんだお腹とだるんだるんの体(私の夫は「ぷるぷるで気持ちいいやん、かわいい赤ちゃんを守ってた証拠」と絶賛してくれ、少し救われましたが、、、)で、骨盤もガタガタ、抜け毛多し、、、
赤ちゃんと一緒に写真を撮ると、プルプルのお肌とは対照的にガサガサの自分のお肌、、、
患者さんに頼りにされて技術や知識をどんどん身につけ、好きなメイクをして好きな洋服を着て、髪の毛もお手入れしていた私はどこに行った?とふと鏡を見て愕然とします。
クリーニングに出さなければならないような服装もアクセサリー類も当分封印です。
ボディイメージの変容、、、
そんな自分を認められなく、情けない気持ちになることもあると思います。
どうぞ、しんどい気持ちに寄り添ってください。
母になっても変わらずに大切な存在であることをお伝えください(鏡をみて嘆く私に対して、私の夫は「こんなかわいい子のお母さんはかわいいに決まってる!」とお経のように唱えてくれました。)
また、たまにはゆっくりと美容院やマッサージに通う時間を捻出できるように支えてあげてください(美容院に行く前は髪型の相談、帰宅後には大絶賛をお願いします)。
6産後の家事はあきらめが肝心
気分転換にお出かけしたくても2ヶ月ぐらいは新生児は家にいた方が良いとのことで家に引き篭もることになります。
家に1人(2人なんですけど)でいると、私って何のために存在しているのだろう??
自分の子ども1人十分に育てられず、何をしてるのだろう?と1日に何度も思うことがありました。
授乳と着替え、おむつ替えのスーパーローテーションで1日はあっという間に過ぎていきます。「○○もできていない!!」と悲しくならないように、
新・三種の神器→食洗機・お掃除ロボット・(乾燥機付き)全自動洗濯機は出産前までに揃えておくことをお勧めします。
私の夫は私が必要だと提案した家電については、値段のことを一切気にせずに購入に賛成してくれました。妊娠出産・子育ては何かとお金がかかりますが、私の夫は金銭的なことについて一切口出ししたことがありません。
子どものお洋服や玩具などびっくりするぐらい高価な時がありますが、「あなたがいいと思う服を、僕たちのかわいい子に着させるのに、何の遠慮?素敵な服を着て子どもが心地よくて、それを見て僕たちも幸せなんやし、そのために二人で一生懸命働いてるんやから、値段のことは気にしない」と、とてもやさしく肯定してくれます(私が「高いねん」だけ伝えて、正しい値段を知らないだけかもしれません)。
また、家の外に出られる回数や時間も制限されるため、大きめの冷蔵庫(特に冷凍庫が大きいもの)もお勧めします。
ネットスーパーなども利用できますが、やっと子どもが寝入った時に限って「ピンポン」と鳴りがちです。「置き配」でもよいのですが、野菜や牛乳などの冷蔵品をずっと家の外に置いておくのもなんだかな、、、ということで、1回の買い出し量や注文量が多くなります。
働きはじめて、時短のために「夕食セット」を購入したり、お惣菜的なものを買ってきたりすると食費がかさむこともありますが、これについても私の夫は一切口出ししません。「あなたの料理が食べられたらすごくうれしい。でも、考えて苦労して選んでくれたお料理もおいしく食べる。僕も、作れるものは頑張って作る。」
夫が家事をする方もおられるかもしれませんが、
私は夫に家事をされると、「ずっと家にいるのに、掃除もできない私って、なんて怠け者なのだろう」と自己嫌悪に陥ったり、私が掃除したのに、もう一度掃除を始めようとする夫を見て、「私の掃除の方法が気に入らないのか??」とイライラしたり、かといって、掃除を全くしなければしないで、「産後こんなに大変な私に掃除させようとしているのか、なんて酷い人」と思ったり、大忙しでした。
何も正解がなく、何に対してもイライラしていたことがよくわかります。
妻は疲れて、ホルモンのせいもあってイライラしているんだな、と妻の行動に目をつぶって、1−2時間でも休ませる方法を一緒に考えてあげてください。自分だけでなく、イライラしている妻も苦しんでいるのです。
おそらく私の夫も相当イライラしていたと思いますが、グッとこらえ続けてくれました。1日や1週間ならまだしも、1年ほど(もしかしたら産後~現在に至るまでずっと)機嫌の悪い私に対して時々爆発しつつも、基本的には見守ってくれていますし、私が頼んだ家事は絶対に文句を言わずやってくれます。
子どもが大きくなると、少し余裕が出てきて、家事もやりやすくなるのですが、それ以上に「目をつぶる」ことができるようになっただけな気もします。
あのお片づけで名をはせた某有名人も子育て中はお片づけを諦めた、と宣言しています。
お片づけのプロも諦めるのです。
素人の我々が必死にお片づけしなくてもよいと潔くはじめから諦めて「そこそこ」で満足しましょう。
また、シッターさんなどのサービスを利用してもよいと思います。
7お風呂は大変
もう一つ大変なことは入浴です。
ベビーバスで入れる間はまだよいのですが、少し大きくなって大人と一緒に入浴するようになると人手が必要です。
もし1人で入浴させる場合、入浴前に入浴後のバスタオル、保湿剤、着替え、おむつ、お白湯を準備する必要があります。赤ちゃんをそのままポンと置いてもいいように、そして自分も赤ちゃんを看視しながら入浴後の作業ができるように準備するのです。
一緒に入浴中、もちろん自分の体や髪の毛を洗うわけですが、これがとても危険なのです。
赤ちゃんは簡単に溺れるし、滑るし、こけるし、動きます。
このため、本来なら1日の疲れを癒してリラックスできるはずの入浴時間が、一人で入浴する場合、すごくピリピリしながら赤ちゃんを監視し、自分はカラスの行水になります。
そして、お風呂から上がるとき、自分の体も頭もびしょびしょで素っ裸状態で、まず赤ちゃんのお世話をします。赤ちゃんは体温が外気に影響されやすく、待たせるわけにはいきません。
着替えさせた後も大変です。脱衣所には一般的にドライヤー、洗剤、柔軟剤、洗顔料など赤ちゃんにあまり触ってほしくないものが置いてあるのではないでしょうか。これらを触らないように注意しながら、自分の体を拭き、着替えていく必要があります。
また、時々ハプニングが起こります。
湯船で気持ちよくなった赤ちゃんが便をしてしまうことがあるのです。
黄色く染まる湯船。青ざめる母。
赤ちゃんを入浴させた後に、大人に受け取ってもらうだけでこの入浴時間が大きく変わります。パートナーが忙しい方もおられると思いますが、入浴時間の30分だけは在宅するように(その後また仕事に戻ってもよいので)あらかじめ計画しておくとよいと思います。
私の夫は当直等を除いて、必ず入浴時間(19時)に在宅し、子どもをお風呂に入れてくれました。母と子どもは授乳を通じて密着し、愛情形成しますが、夫はこの入浴時間で子どもとスキンシップをし、子育てを楽しんでいたと思います。
子どもが起きる前に出勤し、帰宅したときには子どもが寝てしまっているようでは、なかなか寂しいですよね。是非、スキンシップ、子どもと関わる時間としての入浴時間を楽しんでください。
8医師としての知識と技術の維持はしばらく気にしない
医師として学ぶべき知識や技術は山盛りあります。
しかし、睡眠不足とホルモンの乱れで、驚くほど集中できず、知識は全く定着しません。
何かをしていてもどこかで我が子のことが気になってしまいます。
24時間我が子と向き合うのはしんどいはずなのに、我が子が隣にいないと、我が子のことばかり考えてしまい、目の前のことに集中できなくなるのです。
効率も落ちます。そしてその先にあるのが自己嫌悪です。
妊娠・出産と専門医試験が重なる今の制度は本当に良くないと思う、と制度にも毒づきながら、マイナス思考が止まりません。
しかし、子どもの成長を目の前で見られるというのは本来この上ない勉強の機会のはずで、医師としての知識云々は置いておいて、社会にとても大きく貢献していることを忘れてはなりません。胸を張ってください。
あなたは必ずまた元のように働けます。今急ぐ必要はありません。
パートナーは妻がどんなキャリア形成を目指しているのか、まじめにしっかりゆっくりお話を聞いて、可能なサポートを提供してください。
9母になった妻へのアドバイスはぐっとこらえて
医師である母は、完全主義的な性格の場合は特に、産後できないことばかりに目が行きがちになると思います。
自分でも自分を認められない、全然何もできていないと感じているところに、夫や周囲の人から「もっと こうやったら上手くできるのに」「〇〇できてなくて子どもがかわいそう」「△△してみたら?」と言われた日には自分がこの世から全否定された気になり、怒りが頂点に達するか悲しくて涙腺崩壊するかのどちらかになってしまいます。
是非、母になった妻の話を支持的に傾聴していただき、母の考えを尊重してください。
10医師の働き方改革は必須
これほど大変に追い詰められる理由にはそもそも医師の過重労働にも原因があると思います。夫婦ともに仕事だけでギリギリ。ここに負担の大きい子育てが来ると一気に首が回らなくなるのです。
夫婦で子育てを楽しめるように、育休や時間休、そして子どもの急な発熱時などに休めるように、余裕を持った勤務を切望します。
11最後に
産後しばらくは、子育てを楽しむ、子どもを可愛いと思うような心の余裕はなく、ただただ必死の毎日でした。
今になると、当時の子どもの写真や動画を永遠に眺めていられます。
可愛くて愛しくてたまらない。
この子が目の前にいたのに、私は当時十分にその幸せを堪能していなかった気もします。
一方、100回しんどいことがあっても赤ちゃんが1回ニコっと微笑んでくれると、すべてのしんどいことが吹き飛びました。100回でも200回でもしんどくても、この子が笑ってくれるなら、何でもできる、という気持ちにもなりました。
一番手のかかる新生児のお世話を身も心もボロボロの時にする、という過酷な状況が待ち受けますが、赤ちゃんは首が座り、寝返りをし、ハイハイをし、声を出し、、、、どんどんできることが増えていくので、心配する必要はありません。産後が最大級にしんどいのです。だから「産休・育休」が必要なのです。この厳しい時期を乗り切れば、どんどん楽しくなっていきますよ。
ここまでお読みいただいて本当にありがとうございました。
産後には様々な苦労があることをご理解いただけましたでしょうか。
とはいえ、振り返ってみると苦労を超える大きな幸せを与えてくれた今しかない子育ての時間、どうぞ皆様楽しんでください。